ミャンマー通信

2018.11.01更新

ミンガラパー!

みなさん。初めにちょっと訂正です。
いままで、「ミンガラパー」だと思って使っていたミャンマー語の「こんにちは」ですが、ミンガラバーと濁るようです。以後ミンガラバーで統一しましょう。

改めてミンガラバー‼

今号では10月18日からの第2回訪緬およびその頃弊院および埼玉医科大学国際医療センターを訪れたミャンマーからのお客様について紹介いたしましょう。

(1) 第2回訪緬
10月18日、今回は前回のように台風や嵐の影響はなく、スムーズに離陸(※1)と思いきや、機材の変更?などの理由で2時間30分の遅延でヤンゴンへ。今回訪緬の主な目的は、ヤンゴン総合病院リハビリ病棟における研修、ヤンゴン総合病院脳神経外科病棟における研修、そしてミャンマー保健省訪問です。
リハビリ病棟研修は今回から合流した埼玉医大国際医療センターの看護師・リハビリスタッフとともに靖和チーム合同でProf.Khin(※2)の主催する病院でのリハの様子をつぶさに見て回りました。
写真1
同じころ原田らはヤンゴン市内にリハビリ拠点を設立するにあたってのミ国の法律その他に関する調査を市内にある法律事務所を訪れ情報収集に当たりました。前回に比べて3か月後のミャンマーは気温は高いものの、湿度は低く若干過ごしやすい印象(※3)でした。

翌日、医大・靖和チームは合同で脳外科医ミャットトゥの主催するヤンゴン総合病院脳神経外科病棟の視察です。
写真2

一般病棟・ICUおよび同じフロアに手術室があり、動線が確保されています。圧倒的に外傷症例が多く、80%程度を占めており、脳卒中・腫瘍と続きます。年間手術症例は1000例を超えるとの事ですから、ほぼ毎日3例以上の手術があることになります(※4)。脳疾患は程度の差こそあれ、後遺障害を生ずるので、リハビリテーションが必要になり、日本と異なるのは、リハビリで患者を支え、実践するのは家族の役目、という点です。看護師、セラピストはリハのコツ、やり方を家族に指導するのが主な役割ということになります。
写真3
100床近いベッド数に対して看護師は1-3名程度ということでは必然的に家族の負担が大きくなりますが、重症例ではほぼ連日家族の誰かが泊まり込んで患者のケアに努めています。
写真4
医療システムの違い、だけでは説明のつかない人としての根源的なありよう、家族観、家族愛などについて考えさせられる場面です。

日曜日は休み、ということで、ヤンゴン市内にあるミャンマーでも最大級のシェタゴンパゴタを訪れました。入塔に当たっては、素足になることが求められ、時計回りに一周します。塔の中はブッダにかかわる品々が陳列され、歴史の勉強にもなります(※5)。ブッダに参詣し、心を清めたのち、市内にある砦に上り一望し、
写真5
建築中の高層マンションが立ち上がっているのを目の当たりにすると、新旧の混在は万国共通の事柄なのだ、と改めて思った次第です。
夕方、日曜日でもやっているヤンゴン郊外にあるprivate hospitalピンロン病院を訪れ、国立大学(governmental hospital)との違いを視察しました。ここでは最新機器を導入し、外来を中心に金銭的に余裕のある患者を対象にリハビリが行われており、敷地内に併設された脳神経外科・放射線科などとの連携がなされていました。
ポジトロンCTなどの最新機器の導入などもprivate hospitalならでは、といった点が皆保険の日本との決定的な違いです。
写真6
翌日はミャンマー「保健省」(日本の厚労省)を表敬訪問しました。日本の霞が関・永田町に相当する中央官庁などは、首都ネピドーに集中して存在し、ネピドーはヤンゴンから空路45分ほどの距離にあり、新たに作られた人工都市といった感があります。車だと6時間くらいかかりますが、ヤンゴンからまっすぐ北に延びるこのハイウウェイは片道4車線。そう、そのまま滑走路として使用できる広さです。「保健省」とは一般的な名称で、ミ国ではMinistry of Health and Sportsが正式名称で、むしろ日本の厚労省とスポーツ庁が合体した行政機関といえます。その下に7つのデヴィジョンがありますから、かなりの大きさの組織です。

今回は大臣との面談で
写真7
今後の活動に対する理解とご協力をお願いし、最もかかわるデヴィジョンであるメディカルサービス部との協議に臨みました。その後ネピドーからヤンゴンでトランジットし帰国の途に就きました。

(2) ミャンマーからのお客様
我々は10月23日成田につきましたが、その前日よりヤンゴン総合病院リハ科主任教授Khin、マンダレー総合病院主任教授Win、ヤンゴン医療技術大学(※6)学長Mya,同じくリハ科教授Myoら御一行が来飯しており、22日は国際医療センター見学研修、そして、23日午後彼らを飯能靖和病院にお迎えしました。
写真8
弊院で行っているWelWalkなどのロボット支援リハビリ、AR2を使用した上肢訓練、経頭蓋磁気刺激装置などを見学し、ハイテクを駆使したリハビリに非常に興味を示したようです。その後回復期病棟および前回のお客様も訪れた畑での作業療法の見学をもって、弊院の見学研修を修了、今回は木川一男会長も表敬を受け、
写真9
ホテルへ戻りました。

その後市内のレストランで一席設け、盛り上がった一晩をもって訪緬・来日歓迎の一連の日程を終了しました。
写真10

ミャンマー事業は現時点で(10/30)おおよそ全予定の半分手前くらいまでこなしております。
今後は11月の国際学会参加、12月のセミナー開催などなど、まだ続きます

以上文責
病院長 原田俊一

(※1) 成田発ANA813便ヤンゴン行き直行便は定刻より2時間半遅れる傾向があります。
(※2) Khin Myo Hla先生。第1報でも登場しましたが、ミャンマーのみならず東南アジア全体のリハビリ界のリーダー的存在で、今回事業のミャンマー側のキーマンです。
(※3) ミャンマーは南北に長い国ですが、ヤンゴン周辺は熱帯に属し、10月くらいから降雨量は少なくなります。
(※4) 一概に優劣は言えませんが、病院が少ないためにそこに医者・医療従事者・患者が集中、例えば手術の経験数などは日本の平均の数倍になり、日本は逆に症例が分散、どの病院も症例獲得に躍起となる傾向にあります。
(※5) ミャンマーでは国民の90%が仏教徒で、13%が僧侶。そしてミャンマーの仏教は小乗仏教です。(※6) ミャンマーでは理学療法士が年間30人ほど誕生しますが、ここの大学の卒業生、つまりこの大学はミ国唯一の理学療法士養成学校ということになります。

 

投稿者: 医療法人靖和会 飯能靖和病院

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